SeaBream HARUKA blog

NISSAN JOY FRIEND-20EX 鹿児島 錦江湾 船フカセでクロ釣りが主体です

【錦江湾口に於けるMy BOATでの掛釣り考察】再掲載

錦江湾口に於けるMy BOATでの掛釣り考察】と題して1999年6月、当時やっていたブログに掲載していた駄文の再掲載です。懐かしくての再掲載ですのでご笑覧下さい。

錦江湾口に於けるMy BOATでの掛釣り考察】

掛かり釣り(沖釣り)に於いて一番重要なことはなんでしょう?
これは、釣り全般に同じ事が言えるのですが 【POINT】ではないかと思います。
えらく抽象的な表現で申し訳ないのですが、対象魚、その時期、海況、潮の方向、潮の速さ、水深 等等を総合的に判断して船を掛ける場所を選定する。これがうまくいきさえすれば”釣れたも同然”なのではないでしょうか?
遊漁船での釣りの場合は、経験を重ねた「船頭」がこれらを考慮して「連れて行って..」くれますので、いわば”乗った船頭次第”で釣果は左右されます。勿論、潮況他もありますが・・。
一方、My BOATでの釣りとなると”自分自身”が全て判断してPOINTを設定しなければいけません。釣りの経験を重ねておられる方にとっては、これらを考慮してPOINTを想定することはあるいは簡単なことかも知れません。私も”磯釣り”の経験から入れると、釣り歴だけは30年になろうとしていますので、ある程度の”想像”?でPOINTを決めてはいます。例えば”真鯛”の場合は、ある程度(30m以上)水深があって、砂泥地又はゴロタに根(瀬)が点在し、少しは地形に変化があるところ...とか、イサキは起伏に富んだ岩礁帯で、潮が通すところとか...頭の中では容易に?POINTが決められます。ところが実際の場面ではなかなか簡単には行きません。
何が簡単に行かないか??と言うと、このPOINTに『正確に船を止める!』作業が問題なのです。通常この作業は【山立て】と言われる方法で行いますが、この”山”(目印)が見えない時はどうにも成りません。たとえ見えていても素人が正確に船を持って行く事はそう簡単なものではありません。今見つけたはずの”瀬”をもう一度見つけるだけでも私にとっては大変な作業でした。
この問題を解消してくれたのが文明の利器【GPS】です。
GPSのお陰で一度登録したPOINTは、どんな時も正確な位置を示してくれます。
しかし、正確な位置が見つかっても、ここに『正確に船を止める』作業には様々な障害?が有ります。水深・海底の状態・潮流の早さ・潮流の方向・風向・風速・他船の動向 etc これらの情報を全て判断してPOINTとアンカ−を落とす場所との相対関係を見極めなくてはいけないのです。
現在、私が行っている「正確に船を止める」方法は、これらを考慮した上で【GPS】を併用した方法です。

◇POINTに船を止める◇
* GPSの最小半径表示を【100m程度】に設定する
* 狙うPOINTを登録するか”マ−ク”して画面上に表示しておく
* 上記の各情報を考慮してPOINTとアンカ−を打つ場所までの方向・距離を 推測する
* GPSを見ながらアンカ−を入れる場所へ向かうが、距離はGPSの半径表示を参考にする
* アンカ−を入れ船が静止した時、自船の位置がGPS表示の目的地(マ−ク)や狙う水深とずれていたら再度やり直す

「使用GPS」 扶桑海洋電子(株) FUSO FEG−660
   精度は誤差・半径2〜30m位には収まっているようだが
   現在ではD-GPSの出現で、誤差は数mになっている(1999年当時)

◇仕掛けについて◇
船掛かりの仕掛けや釣り方には多種多様の物がありますが、私の釣り方は「コマセ置き竿」と「浮き流し」の2種類です。使い分けは簡単で、潮下に障害となる” 他船”や”瀬”が無く、潮も80号負荷の仕掛けを適度なスピ−ドで引っ張っている時。又、置き竿で当たりが無く、餌取りの兆候も無い様な場合で前記に合致するときは「浮き流し」。海底が平坦でPOINTが絞れないような場合も「浮き流し」で広範囲に探れるようにしますが、それ以外はほとんど「置き竿」で釣っています

◇「置き竿」や「浮き流し」での私の仕掛け◇
    


LARK用のステイ(片野田製)
* 出来るだけ長く、克つ胴調子(ム−チング調子)の竿を使う。
これは主に船の揺れが直接 仕掛けに伝わらないようにする為です。又、先内径の出来るだけ太い「中通し竿」を選んでいますが、これは”浮き止め糸”が無理なく通る事と船上での取り回しを優先しています。

* 道糸は延びが無く、出来るだけ細く
現在はPEラインの6号を使っています。もっと細くても良いのですがリ−ルの巻き数との関係(200m入れる)でこの号数です

* 海況によってカゴからの撒き餌の出方が調整出来る撒き餌カゴ”を使う


凪で潮流も無い時、又、浮き流しの時は”ほぼ全開”。
船の揺れによって一度に4〜5匹の沖アミが出る程度に微調整。
餌は【オキアミ生】。【アミ】はえさとりを多く寄せますので使いません。

* オモリ 潮流に関係なく80号のオモリが主体
80号で止まらない時は150号位掛けないとダメである。そうなると竿から変えないと....。80号しか持っていないんで..(^^;)

* ハリスは真鯛の場合 6号 5ヒロを標準とする
大型真鯛の時期は8〜10号を使いますが、その他の時期にもある程度の大型にも備えて6号としています。針は2本針で、下針の”矢引”上が上針としています。本当は棚を見るために4本針程度にしたいのですが、手元に来て走られたときの危険が大きいので2本にしています。枝ハリスの長さは10〜15cm。これだと絡みが無いし、食いも良いようです。
ハリスの潮馴染みを良くするため、枝ハリス用サルカン等は使いません
* ハリ 真鯛11号クラスから、魚の大きさやエサの摂られかたで上下します。

◇私の釣り方は..◇
『如何にして撒き餌と仕掛けを同調させるか?』これが一番重要と私は考えます。
勿論、その前に狙う魚種を考えPOINTを設定するのは言うまでもありませんが、その設定したPOINTに如何にして撒き餌を..付け餌を自然な形で同調させながら届けるか!を考えながら、そうなるような釣り方をしているつもりです。このことを考えながら船を掛けますし、場合によっては釣り方も変えています。
真鯛の場合は前述の通り砂泥地に岩根が点在するような場所。または根から20m程離す。
根(瀬)魚(イサキ等)は根の駆け上がりで、根の頂上から15mほど深いところ。(根の大きさにより変化)

◇棚取り◇
私は今まで”遊漁船”で掛かり釣りをした経験はほとんどありませんので、”棚”を何処に設定するかが問題でした。「鯛は底を釣れ」等と良く言われますが、現代の”撒き餌釣り”の場合はそれは無いと思います。例えば真鯛の場合は、水深の半分以上でも平気で浮いてきます。かえって”餌取り”と呼ばれる魚の多くが一定の棚以上は浮いてこないように思います。私の棚取りはこのことを前提として”真鯛狙い”の場合はカゴを底から15m上(ハリスの長さは5ヒロ・約7m)に先ず棚を設定します。
この時、一旦【カゴ】を底まで降ろしてから巻き上げるのでは無く、魚探の水深からリ−ルのカウンタ−を利用して棚で止めます。このことで不要な根掛かりや、不必要に餌取りを引っ張り上げることが防げます。先ずこの棚でしばらく様子を見ます。仕掛けを上げた時点で餌が残っていたら初めて2mずつ棚を下げて、餌がカジられる棚を探ります。反対に餌が無くなる場合は、餌が残るかカジられる棚まで2mずつ上げて探ります。私が”ここだ!”と思う棚は【下針の餌がカジられ、上針の餌が残った状態】の時で、この状態の棚が見つかったときはしばらく粘るようにしています。
この状態を見極めるために、本当は枝針を4本程度にしたいのですが、前述のように危険でもありますので2本にとどめています。
この”最高の状態”に有るにも関わらず、どうしても食ってこない場合は”30cm”間隔で棚を変え、それでも駄目なときは”ハリスの長さ”を1mずつ長くしてみます。(このハリスの長さを変える手は、餌取りが非常に多い時にも有効です)それでも駄目ならハリスの号数や針の大きさを変え...あきらめます (^_^;)
 

自作浮子(80号負荷)
”浮き流し”の場合に気を付けている点はやっぱり同じですが、必ず『仕掛けに浮きを引っ張らせる』という点です。これは全く”磯のクロ釣り”と同じですが、潮流によってはウキが先行していることが良くあります。特に”神瀬”等の起伏が激しい地形では目の前の瀬とその先の瀬での潮流が同一方向では無いことがありますので注意が必要です。