SeaBream HARUKA blog

NISSAN JOY FRIEND-20EX 鹿児島 錦江湾 船フカセでクロ釣りが主体です

 「ちょろ釣り」考

数年前から錦江湾口ではやっている釣り方に「ちょろ釣り」(俗称かな?)があります。

船を、狙う瀬の100m程潮上にアンカリングし、船上から撒きエサ(オキアミ・パン粉を混ぜる方もいらっしゃる)を磯釣りの要領で撒き、その筋に軽い仕掛け(参考:道糸フロロカーボン系6号、ハリ直結もしくはハリス6号程度のみ)を場合によっては狙う瀬を超えて200m以上流し込んでいく釣りです。いまや職漁師さん達でさえこの釣法をやる方も多くいらっしゃいます

流し込む距離は、瀬(ポイント)までの距離と潮行き、食い棚によって変化しますが状況が良いときは30〜70m程度で竿をひったくっていきます。水深は30〜50mと深いですが、磯釣りに於ける「全誘導・全層釣法」と考え方は同じと思って良いでしょう。私が船からクロ(メジナ)を狙う場合も、水深と瀬までの距離は違いますがほとんどこの釣法です。

磯釣りで食いが悪いのに鈍重なウキをポカンと浮かべて漫然と釣るより軽い仕掛けや全誘導・全層等で考えて探る方が釣れるのと同じで、60〜100号の天秤とカゴで探るより面白いし釣果も勝る場合が多いです。

しかし・・・錦江湾口の各ポイントを見た場合、その弊害も多いと思います。

例えば「神瀬」(カンゼ)
正確な大きさは分かりませんが、水深50m程の台地は福岡ドーム2個程度の大きさはあるでしょうか?
その広い台地の中に20m・30m・最浅部7mの瀬が林立してますが、林立とは言っても潮行きによって狙える瀬は限られてきます。

例えば外野センターに大きな良い瀬が在り、ファーストやセカンド、サード、ショートの位置にも小さいとはいえ狙える瀬は在るとします。外野までの距離を120m前後とした場合、「ちょろ釣り」の船は当然ホームベースまたはピッチャーマウンド付近にアンカリングしそこから流すわけです。

仕掛けの流れる角度は、船の風振れも考えると30度前後は見ておく必要がありますが、ホームベースから30度前後の角度を取った場合、セカンドやショートはその角度の中に入ってしまいます。


参考:40度

一船がホームベースから「チョロ釣り」をした場合、セカンド・ショートの瀬には他船が入れないということです。その「チョロ釣り」船が数隻も居たら・・・いかに広い神瀬でも入れるポイントがほとんど無いと言うことになります。

近年、「チョロ釣り」が可能な釣り場での「チョロ釣り仕掛けが流れている潮筋にアンカーを入れる」「直ぐ横の潮下にアンカリングし、仕掛けが絡むのを無視して同じ潮筋を流す」等々といった諍いが絶えません。他船の潮下直ぐにアンカリングする非常識な方も希に居ますが、まさかここまでは流してないだろう?・・でアンカリングという場合も多いです。

私を含めて友船のマイボート組は極力「漁船」や「遊漁船」の邪魔にならないポイントを選択しています。といって・・「チョロ釣り」船が居なければもっと広範囲に多くの船が楽しめるのも事実です。「そんなに言うなら早く行ってポイントを確保すれば!」って方もいらっしゃいますが、それをやり始めると他船もどんどん出船が早まるばかりでしょう。

せめて「チョロ釣り」仕掛けを流す範囲は潮下100mまで!とかの暗黙の了解でもできたら・・・と願っています。