ロングホイールベース&最新トレンドを導入
モナコ向けというわけではないだろうが、この変更でHONDAワークス(敢えてワークスと呼ぶ)の位置挽回を期待したい。
モナコ仕様:マシンには強大なメカニカルグリップと強ダウンフォースが要求される!
以下はルノーのエンジニアリング・チームのモナコ公道サーキットの攻略法解説。F1通信より転載
シャシー
車高:モナコは曲がりくねったサーキットというだけでなく、非常に凹凸が多くて鋭い上り下りがあり、レーシングラインにあまりゴムが付着していない週末序盤は特に滑りやすい。したがってサーキットの表面変化に対応するために、車高を通常より5〜7mm上げる。
サスペンション:最高のグリップレベルを得るために、ソフトなサスペンション・セッティングを採用する。これによってバンプや鋭い上反りにもマシンが対応できる。凹凸の多い表面ということは、ホィールが別々にバンプに乗ることができなければならないため、アンチロール・バーを柔らかくする。キャンバー角にも特別な注意が必要で、凹凸が多い高速ブレーキング・ゾーンでマシンが不安定にならない程度に、キャンバー角をかなり高めにする。
エアロダイナミクス:モナコは年間最高のダウンフォースで走っている。空力学的アドバンテージをさらに得るためにマシンに余分な附属部品をつけることが多い。ダウンフォースはコーナーだけでなくブレーキング中や加速中にも有利となる。このサーキットでは直線スピードはあまり重要ではないので、ダウンフォースを上げるためにドラッグ・レベルを通常より上げることがある。
ステアリング角度:グランドホテル・ヘアピンはシーズン中最もタイトなコーナーで、年間で最高のステアリング角度が必要となる。たとえば、前回のバルセロナに比べれば2倍以上の角度が必要となる。また、スロットルを開けた状態でマシンが曲がれるようトラクション・コントロール・システムとディファレンシャルも調整する。
エンジン
パフォーマンス:モナコではフルスロットルが1周のちょうど50%という年間最低値なので、一見エンジンに厳しくないサーキットのように見える。しかし、これは都市伝説のようなもので、RS26の最高性能を引き出すためには無数の難問に対処しなければならない。凹凸の多い表面のため回転過剰のリスクがある。パフォーマンスの点では、低速コーナーから立ち上がるために、超低回転でも高いトルクが出せるような運転しやすいエンジンにすることが重要である。
ギアボックス:加速を最適化するため、そして低速でのエンジン性能を最大限にするため、このサーキットではギア比の間隔を狭くしている。
冷却:長い直線がないため、エンジン冷却が難しい。特に短いギア比なので、マシンが比較的低速で走っていても、エンジン回転数がかなり高い場合が多い。つまり、マシンの効果的冷却という難問があるので、エンジンがオーバーヒートしないようボディワークに穴を開けたりする。ラップタイムが多少落ちることになるが、空力学的効率は他に比べてここではあまり優先度が高くないので、これを導入することがある。